暗号資産取引所ビットマートの創業者シェルドン・シア氏は水曜日、同取引所が月曜日に新たなセキュリティ侵害を受けたことを認め、再編と事業縮小の過程でセキュリティチームが「深刻な人手不足」に陥っていることを明らかにした。ブロックチェーン分析企業ビットクエリーは、ビットマート関連ウォレットから約39万1000ドルの不審な送金が、11月2日に発生したブラジルのメルカド・ビットコインへの4600万ドルのハッキング事件に関与したアドレスへ流れたことを突き止めた。
主要ポイント
- ビットマートが月曜の新たなハッキングを認め、創業者が脅迫と人材流出でセキュリティチームが「深刻な人手不足」と認める。
- ビットクエリーが約39万1000ドルの不審送金を、11月2日のメルカド・ビットコイン4600万ドル流出事件関連ウォレットへ追跡。
- 取引所は事業縮小中(8月26日取引停止、2027年1月完全停止)で、12月か1月に裁判所監督下の再編を申請予定。
- 利用者は出金凍結と不透明な回収見通しに直面。再編案は流動性資産分配や回収トークンなど3つの選択肢を提示。
- トロン、テザー、TRM、バイナンス参加のT3金融犯罪対策ユニットが8月に調整不全で解散、とブルームバーグ報道。
エグゼクティブ・インテリジェンス・ブリーフ
事業縮小下でのセキュリティ人員危機
シア氏はX(旧ツイッター)への投稿で、現職社員への脅迫と元社員による報復行為が人手不足の要因だと説明し、技術スタッフの引き留めが困難になっているとした。「一部の主要な技術スタッフに残留してもらい、コアシステムを維持してもらうためには、相当な努力と個別の説得が必要だった」とシア氏は記している。同氏は月曜日の被害額を「少額」と表現するにとどめ、具体的な金額は公表しなかった。
同取引所は7月、8月26日に取引を停止し、2027年1月までに事業を完全停止すると発表していた。発表以降、利用者からは出金遅延や口座凍結の報告が相次いでいる。8月にはビットマートの中国語版Xアカウントが従業員の未払い賃金を訴えたが、シア氏はこれを捏造だと一蹴した。
メルカド・ビットコイン事件とのオンチェーンでの接点
ビットクエリーは水曜日の調査で、ビットマート関連とみられるウォレットから3つのブロックチェーンにわたる不審な送金を特定した。資金は11月2日のメルカド・ビットコインへの4600万ドル超のハッキング事件にも関与したウォレットへ流れており、シア氏が当初から疑っていた両事件の関連性を裏付けた。メルカド・ビットコインへの攻撃は、本年最大級の取引所ハッキングの一つに数えられる。
再編案と債権者の不透明感
ビットマートは月曜、利用者向けの3つの回収オプション(流動性資産の分配、回収連動型トークンの発行など)を盛り込んだ再編案を公表した。同取引所は12月か1月に裁判所の承認を申請する方針だ。コインテレグラフは再編内容、セキュリティ体制、最新の侵害についてビットマートに取材を申し入れたが、掲載時点までに回答は得られていない。
業界の犯罪対策連合が解散
別件で、ブルームバーグは水曜日、トロン、テザー、TRMラボズが2024年9月に結成し、後にバイナンスも参加した「T3金融犯罪対策ユニット」が解散したと報じた。関係者は対応の遅れと調整不足を理由に挙げ、同グループは8月下旬に解散したとされる。T3は5月、発足以来、犯罪関連と疑われる4億5000万ドル超の資産凍結を支援したと主張していた。この解散は、先週報じられたバイナンスの63億ドル流出事件など、大型ハッキングが相次ぐ時期と重なっている。
