米連邦準備制度理事会(FRB)は2日、銀行内部者への貸し付けを規制する「レギュレーションO」の近代化案について、パブリックコメントの受付期限を従来の10月5日から30日間延長し、11月4日とすると発表した。FRBは、関係者が諸課題を分析し、意見を準備するためにより多くの時間を確保できるようにするためだとしている。
主要ポイント
- FRBがレギュレーションOの意見募集期限を10月5日から11月4日に延長
- レギュレーションOは役員・取締役・主要株主への貸付を規制
- 数十年ぶりの包括的見直し案、内容は複雑との見方
- 延長は実質的変更の存在と利害関係者の強い関心を示唆
- 最終ルールの採用時期は意見検討後に判断、現時点で未定
エグゼクティブ・インテリジェンス・ブリーフ
内部者貸付フレームワークを標的とした提案
レギュレーションOは、加盟銀行および銀行持株会社が「内部者」――銀行の貸出決定に影響を及ぼし得る役員、取締役、主要株主――に対して行う貸付に法的制限を課すものだ。同規制は、当該貸付の定量的上限を設け、特定の貸付には取締役会の事前承認を義務付け、内部者向け貸付が非内部者との同種取引で一般的な条件と実質的に同一の条件で行われることを求めている。
FRBによる同規則の近代化案は、数十年ぶりの包括的な見直しとなる。FRBは声明で具体的な変更内容には触れていないが、一般に近代化は、銀行業務の技術革新、コーポレート・ガバナンス構造の変化、監督・検査の現場で判明した不備への対応を念頭に置かれる。
規制環境と業界へのインパクト
今回の期限延長は、提案が実質的な変更を含み、利害関係者による綿密な検討を要することを物語っている。銀行や業界団体は、内部者関係の自動追跡や、グループ傘下企業を横断した貸付限度額のリアルタイム監視など、コンプライアンス・システムの高度化に向けた影響評価に追加の時間を充てる可能性が高い。
消費者擁護団体やコーポレート・ガバナンスの専門家は、フィンテックとの提携拡大や、現行規制が最後に実質的に改正された当時には存在しなかった複雑な持株会社構造を踏まえ、提案が利益相反リスクに十分対処しているかどうかを争点にする見通しだ。なお、FRBは先にガードナー・バンクシェアーズとスモール・ビジネス・バンクへの執行措置を終了させるとともに、アレジアント・ユナイテッドら3社に対する2021年の書面合意を終了させるなど、監督姿勢の調整を進めている。
コンプライアンスのタイムラインと今後のステップ
意見は11月4日までに受理される必要がある。FRBは全ての意見を検討した上で、案を原案通り採用するか、修正するか、特定条項を再提案するかを判断する。最終ルールの採用時期は未発表だ。銀行は連邦官報の正式告示を監視し、運用面の実現性と想定外の影響に焦点を当てた意見書の準備を進めるべきだろう。
