イングランド銀行(英中銀)は、次期ポリマー紙幣シリーズの中央図柄として、ニシツノメドリ(アトランティック・パフィン)、メンフクロウ、マルハナバチ(バフテイル・バンブルビー)、ヨーロッパハリネズミの4種を採用すると発表した。約50万件に上った一般公募の意見を経て決定したもので、各額面に異なる生物を配することで偽造耐性を高めるとともに、英国の野生生物を顕彰する狙いがある。
主要ポイント
- 中央図柄にニシツノメドリ、メンフクロウ、マルハナバチ、ヨーロッパハリネズミの4種を選定
- 野生生物公募に約50万件の応募、テーマ「自然」は60%の支持を獲得
- 海産・陸産・空産の組み合わせで額面間の視認性を確保し偽造耐性を強化
- 最初の新券は今後数年内に登場、額面割り当ては発行直前に発表
- 次期チーフ・キャッシャーのリース・フィリップス氏が設計・試験・製造を主導
エグゼクティブ・インテリジェンス・ブリーフ
選定プロセスと一般公募
決定は2段階の公募を経たものだ。2025年7月のテーマ公募では4万4000件超の応募があり、「自然」が60%の支持で選ばれた(2026年3月確定)。続いて、ドキュメンタリー作家のゴードン・ブキャナン氏(MBE)とノッティンガム・トレント大学のドーン・スコット准教授からなる専門家パネルが、哺乳類、鳥類、両生類・昆虫・魚類の3カテゴリーから在来種18種を絞り込んだ。
2026年6月3日から1カ月間実施された第2回公募には約50万件の応募が寄せられた。メンフクロウ、マルハナバチ、ヨーロッパハリネズミが各カテゴリーで首位となり、ニシツノメドリは海産生物として最多得票を集め、環境の多様性と英国の海岸線を象徴する存在として採用された。
セキュリティとデザインの合理性
英中銀は、選定された動物が「偽造耐性を支える独自性のある紙幣セット」という目的に適うと強調する。海産、陸産、空産の生物を組み合わせることで額面ごとの視覚的差異を明確にし、一般人の真贋判別を容易にする。新シリーズでも君主の肖像は継続し、落選した候補種が副次的デザイン要素として盛り込まれる可能性もある。
ビクトリア・クレランド現チーフ・キャッシャーは応募数について「現金が依然として重要であることの表れ」と評価。次期チーフ・キャッシャーのリース・フィリップス氏は、発表された図柄を「最先端のセキュリティ機能と材料科学」と融合させ、設計・試験・製造を主導する意向を示した。
製造スケジュールと次のステップ
英中銀は「品質、耐久性、アクセシビリティを確保するため、設計・試験・印刷に数年を要する」と説明する。新シリーズの最初の額面は「今後数年内」に登場見込み。各動物が5ポンド、10ポンド、20ポンド、50ポンドのいずれに割り当てられるかは、発行時期が近づいてから公表される。
市場・実務面への影響
主に紙幣デザインの決定だが、新ポリマーシリーズへの移行は現金取扱業者、ATM運営事業者、小売システムにソフトウェア更新を迫る運営上の影響を伴う。偽造耐性の強化は継続的なセキュリティ要件への対応だが、現在の偽造発見率は流通紙幣の0.004%未満と歴史的低水準にある。英中銀、中央清算におけるトークン化担保の監督声明案で意見募集、英中銀、政策金利を4%に引き上げ 中東情勢でエネルギー高騰、インフレ5%近くへ。
