中間選挙で民主党が上院51議席を確保し、暗号資産法制の主導権を握った一方、クラーケンは未特定のEU事業体からの1億3300万ドル相当の暗号資産窃盗に関連する口座を凍結した。
主要ポイント
- 民主党が上院51議席を確保、暗号資産法制の主導権と規制当局人事の同意権を掌握
- クラーケンが未特定EU事業体からの1億3300万ドル窃盗に関連する口座を凍結、クリプトドットコムとOKXにも資金流入
- ブロックチェーン分析で6298万ドルのステーブルコインが約4時間で2万7553ETHに転換されたことが判明
- 予測市場で中間選挙契約の取引高が過去最高の約19億ドル、民主党優勢を織り込み
- CLARITY法案の成立見通しが上昇、捜査当局による資金回収作業が並行して進行中
エグゼクティブ・インテリジェンス・ブリーフ
上院掌握が立法地図を塗り替える
アイオワ州でジョシュ・タレク氏が当選し、民主党の過半数が確定。暗号資産規制を所管する委員会の委員長ポストと、SEC(証券取引委員会)およびCFTC(商品先物取引委員会)の要職人事に対する上院同意権を掌握した。停滞していたCLARITY法案の行方が変わるほか、トランプ前大統領関連の暗号資産事業への議会監視も強まる見通しだ。AP通信は民主党が6州で議席を奪取したと伝えている。
予測市場、過去最高の約19億ドル取引
カルシとポリマーケットでの中間選挙関連契約の取引高は約19億ドルに達し、中間選挙として過去最大を記録した。UTC午後4時30分時点で、カルシは民主党の上院勝利を75%、下院掌握を93%と織り込み、ポリマーケットはそれぞれ75.5%、94.5%を示した。両市場は9日前のブラジル大統領選でボルソナロ氏優勢(80%)と予測しながら外した前例がある。カルシCEOのタレク・マンスール氏は「5%の確率でも起こり得る」と注意を促した。
クラーケン、1億3300万ドル窃盗で口座制限
クラーケンは、未特定のEU事業体から1億3300万ドル超の窃盗に関連する口座を制限したと発表。「今回の事案はクラーケンのプラットフォーム上で発生したものではない」としつつ、一部資産が同取引所の口座を経由したとして捜査当局と連携し回収に当たっている。ブロックチェーン調査員のザックXBT氏は、火曜日にさらに2700万ドルのCEX(中央集権型取引所)への出金を確認し、月曜時点の1億600万ドルから被害総額が拡大したと指摘。初回公表後の出金も含まれるという。
複数取引所への資金移動とイーサ転換
ビットクエリの分析では、盗難資金がクラーケン、クリプトドットコム、OKXで出金されていたことが判明。約4時間で6298万ドル相当のステーブルコインが2万7553ETH(イーサ)に転換されていた。クリプトドットコムは関連資金の移動を阻止する措置を講じたと確認し、OKXも照会を認めた。ステーブルコインからETHへの迅速な転換は、凍結可能な資産からの逃避を意図したものとみられる。
展望:立法プロセスと捜査の行方
新たな上院構成により、第118議会ではCLARITY法案をはじめとする市場構造関連法案の委員会審議が本格化する。同時に、複数管轄にまたがる捜査当局の連携がEU事業体の資金回収の成否を分ける。主要取引所が複数関与した事実は、大規模窃盗が判明した際のリアルタイムなクロスプラットフォーム・コンプライアンス連携の必要性を改めて突きつけている。バイナンス、36億ドルの純流出 63億ドルハッキングでビットコインETFとオプションに波及、バイナンス、BTC出金を段階的再開 63億ドル流出事件で市場心理改善といった一連の取引所リスク事案とも重ねて見る必要がある。
