米証券取引委員会(SEC)は30日、マイヤー・グローバル・マネジメント(MGM)と同社最高経営責任者(CEO)のオーウェン・E・H・マイヤー氏を、1940年投資顧問法の反詐欺規定に違反したとして提訴した。2021年12月から現在にわたる一連の不正行為とされる。訴状はニューヨーク南地区連邦地裁に提出され、被告らが顧客ファンド資産をマイヤー氏の個人的経費に流用する3つの異なるスキームを実行したと主張している。
主要ポイント
- SECはMGMとマイヤーCEOが2021年12月以降、複数の詐欺スキームを実行し、ファンド資産を個人的経費に流用したと主張。
- MGM運営ファンドが資本コール不履行により、約300万ドル相当のスペースX投資持分を喪失。
- 被告らは虚偽の残高報告書を送付し、投資家に権利額を下回る分配を受け入れる免責書への署名を強要した疑い。
- 1940年投資顧問法違反でニューヨーク南地区連邦地裁に提訴。SECは差し止め命令、不当利得返還、制裁金、マイヤー氏の業務停止を求める。
- 個人向け未公開株ファンドにおける受託者義務違反へのSECの注力が改めて示された。
エグゼクティブ・インテリジェンス・ブリーフ
資産流用と虚偽報告の疑い
SECによると、被告らは投資家への口座残高報告書で評価額を水増しすることで、資産流用の一件を隠蔽していた。別のスキームでは、MGM運営の3ファンドで投資家への分配金の一部を流用した上、本来の権利額より少ない金額での分配を受け入れる免責書への署名を、分配金受領の条件として投資家に強要したとされる。
SEC執行部資産運用ユニット長のコーリー・A・シュスター氏は、「今回の件は、独占的で高リターンが見込める未公開株投資の魅力を悪用し、個人投資家を食い物にする詐欺師が存在することを改めて示している。被告らは顧客の受託者として行動する義務があったにもかかわらず、自らの利益のために複数の詐欺的行為に及んだ疑いがある」と述べている。
資本コール不履行でスペースX持分を喪失
訴状では、イーロン・マスク氏率いる非上場のロケット・衛星通信企業スペースXに関する具体的な損失が特定されている。MGM運営ファンドがスペースX投資に関連する資本コール(出資請求)への応諾義務を繰り返し怠った結果、同ファンドが保有していた約300万ドル相当の未公開株持分が没収された。これはファンド投資家の元本毀損に直結する。
規制環境と未公開株市場のリスク
今回の執行措置は、ハイテク大手の未公開株への個人投資家アクセスを提供する私募ファンドへの規制当局の監視が強まる中で行われた。これらのビークルは複雑なストラクチャー、限定的な流動性、不透明な評価慣行を伴うことが多く、当局が警告する情報の非対称性が不正を助長し得る。SEC資産運用ユニットは、私募ファンド分野における受託者義務違反、評価操作、経費の不当配分を優先的に追及している。SEC、元ウェスタン・アセット共同CIOのリーク氏に最終判決申立て チェリー・ピッキング事件で300万ドルの罰金と役員資格停止
求められる救済と今後の見通し
SECはMGMとマイヤー氏の双方に対し、永久差し止め命令、遅延損害金付きの不当利得返還、民事制裁金を求めている。さらにマイヤー氏個人に対して行為に基づく差し止め命令を請求しており、認められれば同氏の投資顧問業務への関与が将来的に禁じられる可能性がある。本件はニューヨーク南地区連邦地裁に係属中で、初回期日は未定だ。SECと金融庁、秋季規制対話を東京で終了 次回は2027年春にワシントンで開催。
