ドラックス・グループは、ブルックフィールド・アセット・マネジメントおよびAIインフラプラットフォームのラディアントと200億ポンドのパートナーシップを締結し、ノースヨークシャーのバイオマス発電所敷地内に英国最大級のデータセンターを建設する。目標容量は1GWで、第1フェーズは2028年第1四半期の稼働を目指す。
主要ポイント
- ドラックスがブルックフィールドとラディアントと200億ポンド(約268億ドル)で契約、ノースヨークシャーのバイオマスサイトに1GW超のAIデータセンター建設へ
- 第1フェーズ:既存送電網接続を活用し100MWを2028年第1四半期に稼働、2030年代初頭までにプライベートワイヤ直接供給を目指す
- ドラックスのバイオマス補助金は2027〜2031年に1日200万ポンドから100万ポンドへ半減、データセンター事業で収益崖を相殺狙う
- ドラックス株が約9%上昇し時価総額約30億ポンドに、英国政府草案がデータセンターを重要インフラに位置づけ
- 主な不確実性:プライベートワイヤの規制承認、計画許可、PPA価格設定、ブルックフィールド/ラディアントの資本構造
エグゼクティブ・インテリジェンス・ブリーフ
取引構造とフェーズ展開
合意の下、ドラックスは初期フェーズで土地と既存の送電網接続を提供し、2028年第1四半期までに最大100MWの計算能力をオンラインにする。同社は2031年までにデータセンターへのプライベートワイヤ直接供給の規制承認を取得し、混雑する国家送電網をバイパスして長期収益を確保する狙いだ。バイオマス補助金制度は縮小の一途をたどっている。
全体開発では1GW超の容量を目指し、実現すれば電力消費ベースで英国最大のデータセンターとなる。ブルックフィールドがインフラ資本を、ラディアントがAI特化の技術ノウハウをそれぞれ持ち寄るが、出資比率と資本拠出スケジュールは非公表だ。
バイオマス補助金の崖と戦略的転換
今回の契約は、ドラックスがバイオマス補助金を1日当たり200万ポンドから100万ポンドへ半減させられる2027〜2031年の時期と重なる。政府は同発電所が英国の電力ミックスにおいて「はるかに限定的な役割」を果たすべきと結論づけた。木質ペレットを燃やすノースヨークシャー施設は英国電力の約5%を賄い、同国最大の単一CO2排出源だが、バイオマスのカーボンニュートラル前提の下で排出量は現在、国の会計から除外されている。アナリストの間ではこの前提が争われている。
ウィル・ガーディナー最高経営責任者(CEO)は、このプロジェクトが「サイトの長期的な将来を確保し、数百人の雇用を守る」とともに、「北部の再工業化を支え、主権的AI能力を強化する」と位置づけた。発表を受けドラックス株はロンドン証券取引所で約9%上昇し、時価総額は約30億ポンドに膨らんだ。
送電網混雑と政策背景
今回の発表は、政府がデータセンターに関する国家政策声明の草案を公表した直後に行われた。声明ではデータセンターを「長年依存してきた鉄道や送電網と同様、我が国の経済にとって根本的なもの」と定義し、「この国でのデータセンター開発をコントロールし、国と受け入れ地域が恩恵を受けられるよう確保しなければならない」と強調した。
英国の送電網混雑はデータセンター展開の重大なボトルネックとなっており、長い接続待ち行列が一部の開発業者をオフグリッドのガス発電へと追いやっている。ドラックス敷地の既存高圧送電網接続とプライベートワイヤ供給の可能性は構造的優位性をもたらすが、直接供給取り決めの規制承認が前提条件だ。
今後の見通しと主要マイルストーン
重要な経路項目には、バイオマス発電所敷地内でのデータセンター開発の計画許可、2031年の補助金期限切れ前のプライベートワイヤ直接供給の規制承認、政府の最終的なデータセンター国家政策声明、ブルックフィールド/ラディアントによる段階的容量目標に対する資本展開が含まれる。第1フェーズの2028年第1四半期稼働目標は、2026年の着工を示唆している。
