米連邦準備制度理事会(FRB)は30日、監督ストレステストの透明性を高め、大手銀行のストレス資本バッファ(SCB)要件の前年比変動を約50%縮減する2つの規則を確定した。総資本水準を実質的に変更せずに予測可能性を向上させる。
主要ポイント
- FRBがストレステスト2規則を確定、透明性向上とSCB変動約50%削減を目指す
- シナリオとモデル変更への年次パブリック・コメント義務化、2027年テスト用モデルを採用
- 大型トレーディング・ブック行に年2つのグローバル市場ショック、最悪シナリオを適用
- SCB要件を直近2年分のストレステスト結果平均で算出、2028年開始
- 非利息収益モデル改定案を公表、連邦官報掲載後60日間の意見募集
エグゼクティブ・インテリジェンス・ブリーフ
透明性義務化とモデル・ガバナンス
第1の確定規則では、FRBがストレステスト・シナリオと重要なモデル変更について年次でパブリック・コメントを求めることを義務付けた。想定シナリオ設計のフレームワークを更新し、2027年ストレステスト・サイクルで使用するモデルを正式採用。テスト・カレンダーを調整し、グローバル市場ショック構成要素を抜本的に見直した。トレーディング・ブックが大きい銀行には年2つの異なるショック・シナリオを適用し、各行にとって損失が最大となるショックを採用する。
ストレス資本バッファ(SCB)平均化メカニズム
第2の確定規則は、SCB要件に2年平均メカニズムを導入する。2028年から、2年連続で監督ストレステストの対象となる金融機関について、直近2回分のテスト結果を平均化する。2028年開始とするのは、パブリック・コメントを反映したモデルのみが平均化計算に組み込まれるよう、新透明性フレームワークと整合させるためだ。
銀行資本計画への伝達
今回の変更は、大手銀行の資本計画における構造的な不確実性要因を標的とする。SCB要件の前年比変動を半減させることで、必要資本バッファの急激な変動が貸出能力を制約したり、予期せぬ株主分配削減を誘発したりするリスクを低減する。FRBは総資本要件が実質的に変わらないことを強調し、銀行システム全体の損失吸収能力を維持しつつ予測可能性を改善する。
非利息収益モデル改定案を公表
別途、FRBは銀行のビジネス・モデルによる手数料収益の違いをより適切に捉えるため、非利息収益モデルの改定案についてパブリック・コメントを求めた。採用されれば、ストレス下での各行の手数料収益を予測する現行モデルを置き換える。意見締切は連邦官報掲載後60日以内。
実施スケジュールと次なるマイルストーン
2027年ストレステストが、新採用モデルと二重グローバル市場ショック・フレームワークを導入する最初のテストとなる。SCB平均化は2028年資本要件から適用。市場参加者は連邦官報の掲載日を注視し、非利息収益モデル改定案の60日間意見募集期間を把握すべきだ。この改定は、各行の収益多様性をストレステストでどう評価するかをさらに洗練させる可能性がある。
